５．　東室蘭→宇都宮←→日光　（'99.10.10-10.11）

　翌10月10日。この日は夜の「北斗星4号」に乗車の予定。子供も疲れているだろうからと一日休養ってことで実家でのんびり過ごす。夕飯を取りお風呂に入ってから実家を出発，東室蘭駅まで車で送ってもらった。東室蘭の駅は数年前に改装されて以来寂しい限り。かつてはキヨスクも３つあり食堂もあったのに今ではキヨスク１つのみ。高校時代にこの駅を利用していたのでその変わりようったら寂しい限りだ。

　改札の案内がありホームへ降りる。外気はもう既に寒いくらいだった。やがてDD51重連で北斗星4号が入線，先頭の1号車に乗り込む。今日はめでたくB寝台下段なので少しは楽ができそう。発車後少し落ち着いてから車内探検へ出掛けてみた。食堂車を通り，ロビーを抜けてＡ寝台まで眺めてから帰ってきた。我々のブロックには上段にも客がいたのだが東室蘭で乗り込んだ時点で既に眠りに就いている様子。この日はもう夜も遅いし子供が騒ぐと迷惑かもしれないし，すぐに減光されてしまったので早めに就寝することとした。

　翌朝目が覚めたのは仙台到着寸前。この時点で上段の客は降りてしまっておりとても気楽。仙台駅に停まる新型電車の姿を見て時代を感じる。同じ北斗星に乗っていても車窓はどんどん変わっていくものだ。

　仙台出発後，嫁さんも起きだしてきた。案の定子供と一緒であまり眠れなかったらしい。子供がまだ寝ていたので朝食は夫婦別れて取ることとし，嫁さんは食堂車グランシャリオへ。私は，というと食堂車から戻ってきた嫁さんに弁当を買ってきてもらい自席で食べた。この差は少し哀しい。
　やがて子供も起きだし用意してあった離乳食で朝食タイム。今朝はのんびりすることができ本当に楽だ。列車はひたすら東北本線を南下。単調で退屈な旅ではあるが一区画広々と使うことができたお陰で家族水入らずのひとときを過ごした。

▲北斗星4号　宇都宮駅にて('99.10.11)

　宇都宮到着後乗り換え時間がわずかだったので急いで日光線ホームに向かい107系２両編成の普通列車に乗り込む。車内は満席で席は取れず。でもまぁ日光線は全部で５駅しかないからすぐ着くだろう・・・なんて思ってたら甘かった。なんと40分もかかる。最初は仕方なく子供を抱えて立っていたが，そのうち子供が眠ってしまい次第に腕の限界が近づく・・・参ったなぁ，と思っていたら有り難いことに側に座っていた男性が我々の様子を見て席を譲ってくれ助かった。

　日光到着直前に子供も目を覚まし終点到着。日光東照宮に行ってみることとし，大きな荷物は駅のコインロッカーにしまいこんだ。駅前からのバスはひじょうにわかりづらかった。ちょうど紅葉シーズン始まりの為か中禅寺湖方面直通のバスは混んでいたので20分後くらい後のバスに乗ることにし駅前のベンチで待った。ＪＲ日光駅は歴史ある建物で有名だが利用客の方は観光地にしては少な目で妙に寂しい。やはり日光観光は東武鉄道の一人勝ちなのだろう。

　やがて駅前にバスが到着，我々家族の貸切状態で発車し驚いたが，次の東武日光でたくさん客が乗り込んできた。バスの沿線には湯葉や羊羹の看板が妙に目に付いた。帰りに少し食べてみたいな，と思いつつ先に進む。バスは徐々に坂を登ってゆき，東照宮西参道入口でバスを下車，ここから東照宮に向けて歩くこととした。
　・・・ら，この西参道，なんと急坂。子供を抱えている身としてはかなり辛い，まさに苦行の道のり。東照宮付近には多くの寺社があるのだが，時間と体力を考え今回は東照宮一点に絞って行くこととした。

▲日光東照宮にて('99.10.11)

　ＪＲ日光駅では改札前に既に人が並び始めており，行きの苦労を考えると早めに並んだ方が得策と荷物を列に置いて待った。やがて入線してきた電車は４両編成。改札前はかなりの人数が並んでいたが全員着席できる程度であった。そして15:20発の列車で宇都宮に向かった。