幌萌鐵道管理局   '04/2 北海道帰省記 鉄道編   '04.3.26記
   

2. 223雪害  ('04.2.23)

まさかの運転抑止 東室蘭→苫小牧 「スーパー北斗3号」

 さて復路。実は今回長男を実家に預けるのは明日2/24から次男が手術で入院する為であった。そこで入院前日である今日中に私は松本に戻らなければならない。そこで新千歳から空路で松本まで飛ぶ予定。事前にJASのチケットレスで予約済。新千歳空港は12:45発予定だったので少し余裕を持って東室蘭10:30発の「スーパー北斗3号」に乗車することに。
 この前日22日は午後から雪で新千歳空港が閉鎖になり混乱していたのだが,この日は朝のニュースでは平常通り飛行機が飛んでいた。安心していたところでのんびり家を出ようとつけたテレビで見たのは・・・雪の為,新千歳空港は滑走路閉鎖。うそ〜,と思いつつも東室蘭駅へ向かった。ちなみに室蘭地方は至って平穏な曇り。

 駅に着いた時,携帯のサイトで今日の松本便が欠航することが判明。今日中に絶対松本に帰りたいのだが,非常にマズイ。ここで進路を変え,函館に向かってJRで本州に渡ることも考えたがまもなく10時半なのに9:52発予定の函館行き「スーパー北斗6号」が来ていない。おまけに駅の放送ではまだサッポロビール庭園と長都駅の間で停まっている,とのこと。
 悩みに悩んだが,ここは初志貫徹。とにかく新千歳空港に向かって空港再開したらなんとしても羽田に飛ぶように頑張ろうと。そこで券売機で南千歳までの自由席特急券を購入し改札をくぐった。この時,駅の放送は札幌行き「スーパー北斗3号」は定刻で発車するけど,この先遅れが見込まれます,とのこと。

 ホームに下りると既に列車は入線済で先頭の自由席まで走って乗車。車内はほぼ埋まっていたが幸いにも着席することができ,10:30に東室蘭を発車。キハ281系のハイパワーなエンジン音とともに列車は快走。さてこの列車もどこで引っかかるかなぁ,と不安な気持ちだったものの登別駅を定刻で発車して少々安心。しかし10:50頃,列車は竹浦駅で停車してしまった。あまりにも早すぎる停車に唖然。やがて車内放送が入り,苫小牧駅付近が猛吹雪でポイントが動かなくなり,現在除雪作業中とのこと。ということは除雪作業が終われば進めるのだな,とこの時は思ったのだが・・・。

 列車は竹浦駅で約20分ほど停車してから,萩野駅まで進みますとのことで走り出した。そしてここからが苦痛の時間の始まりだった。11:15頃,萩野駅に到着したものの,この先の運転再開は全く推測がつかず。車掌も頻繁に車内を周り,乗客の質問に答えて歩いていた。ここで長期戦になると考えた人たちはまもなく昼時ということもあり車内販売に殺到。やがて弁当やお菓子類は完売との放送が入った。

 萩野駅に停車中,時折物凄い突風が吹き荒れていた。どうも苫小牧付近ではもっと強烈らしく除雪作業が一向に進まないとのこと。時間だけがひたすら過ぎてゆく車内。飛行機に乗る予定という乗客が多かったのだが,ほとんど諦めムード。私もとても松本便の出発時刻に間に合わないのでJASにキャンセルの電話を入れようと試みたものの全くつながらず。そしてここに来て携帯を使いすぎたのか,電池切れ間近の表示が・・・。仕方なく飛行機の件については自宅の家内にキャンセルをお願いした。

 やがて車掌より車内放送で案内。乗客の責任で萩野駅で下車するのは構わないとのこと。しかし室蘭本線と併走する国道36号線も大渋滞なので代行バスでの対応もできない,と。これを受けて室蘭地区から乗った人達を中心に大勢の乗客が列車を後にしていった。私の隣にいた男性も東京に行く予定だったけど止めて室蘭に帰る,と列車を降りていった。結局それまで満席に近かった自由席は6割くらいに減っていた。

 私もこの時点で方向転換し,どう考えても今日,新千歳から飛び立つことは無理だし,明日は今日乗れなかった人達のキャンセル待ちでなかなか乗れないだろうと考え,鉄路で北海道脱出を図ることに決めた。今から函館へ向かえばまだ寝台特急「日本海」に乗り継げるし明日朝には松本に着けるだろう,最悪でも東北新幹線経由でどうにかなるのでは?と考えた。とりあえず苫小牧まで向かって,そこで引き返えすことに。しかし,対向列車は一向に再開する気配もない。先ほどから車内を歩き回っている車掌に上り列車のことを訊いてもまったく見込みなしとの返事しか返ってこない。今停車中の萩野で降りても逆の列車が来なくちゃ無意味なので 苫小牧までは耐えることに・・・。


▲萩野駅にて

▲萩野駅にて 貨物列車も足止め
 待ちに待った13:58,順次運転再開の報でようやく萩野駅を出発。白老駅で約30分停まって再び発車。断続的に停車を重ねながら苫小牧市内へ。すると沿線の雪の状態がかなりひどく,道路もさることながら,建物の側壁に猛烈に雪が当たった様子。一目見て運転再開できなかった事情に納得した。

 車内のアナウンスで旅行取りやめで函館方面に戻る人は苫小牧で下車して下さい,とのこと。また昼食時間をかなり過ぎているので苫小牧では車内でパンを支給するとのこと。苫小牧で下車する乗客にはパンの割り当てはないのがちょっと残念だったが・・・。苫小牧駅には15時半に到着。

 ホームから橋上の改札へ向かう階段を上るとそこは大雪の跡。どうやら雪が階段を通って改札のコンコースまで吹き込んでいたらしい。相当猛烈な吹雪だったことだろう。
 駅の改札では今下車した乗客が払い戻しするためごった返していた。私も自由席特急券を払い戻してもらった。


▲4時間半遅れで苫小牧に到着した「スーパー北斗3号」

身動きできず・・・ 室蘭に帰還

 さて苫小牧に降りたものの上り列車はまだ運転されておらず,函館行き「スーパー北斗6号」は未だに南千歳で停車中とのこと。苫小牧9:19発予定なのに16:00を過ぎても一向にやってくる気配なし。そんな訳で一旦駅を出て昼食と今後に備えた食料品の買い込み,そして携帯電話を使いまくった為,電池がなくなってしまったので乾電池使用の充電器を急遽購入。これでなにがあっても対応できそう。

 苫小牧駅は普通列車も全面運休で自動券売機も全て停止。改札前は行き場を失った高校生でごったがえしていた。やがて日高本線方面は代行バスの運転が決まり,また千歳線方面は特急「北斗」が各駅に臨時停車することで対処していたが,室蘭方面は全くダメ・・・ 私も行き場を失い,ひたすら苫小牧駅で事態の推移を見守った。みどりの窓口で念の為,今夜の「北斗星」は運転するか尋ねてみたところ運転はするが時刻は未定,さらに寝台は全て満席,との返事。もう間違いなく本日中の離道は不可能,と途方に暮れる。
 なんとしても今日もしくは明日午前中に帰りたかったが,もう完璧に不可能。自宅の家内に電話し,明日の次男の入院をよろしく頼む,でも明日中には必ず帰る,と伝えた。

 やがて17時を過ぎて,東室蘭行き普通列車を運転します,との案内が入った。このまま函館行きの特急列車に乗ったとしても函館で足止めを食らうのは間違いないので,とりあえず一旦室蘭の実家に戻ってみようと決め,早速切符を買って列車に乗りこんだ。ホームには凍てついた711系が停まっていた。車内は全然込んでおらず簡単にボックス席を確保。やがて17:20過ぎに列車は発車。こちらの列車は順調に進んでくれた。


▲苫小牧駅にて東室蘭行き普通列車
 苫小牧から途中駅に停まる度に特急列車や貨物列車が立ち往生していた。どうも特急は運休せず全て運行されたようで,折り返し列車が無い為,函館で急遽編成が組まれたと思われる国鉄色キハ183系0番台を使用した特急「北斗」まで運転されていてびっくり。

 この車内で今後どうするか検討。深夜,東室蘭を急行「はまなす」で出発し,あとは東北新幹線乗り継ぎで頑張って行くしかない,との結論に。
 18時半頃,無事東室蘭駅に到着し,みどりの窓口で松本までの乗車券と特急券等を購入。しかし残念ながら急行「はまなす」の指定券は確保できず。厳しい行程になりそうだ。

 東室蘭駅を発とうとしたところ,朝から遅れていた函館行き「スーパー北斗6号」がやってきた。どうやら上り線の特急も運転再開したらしい。約7時間遅れ。私には今までに経験がない,猛烈な雪害だった。

 この後,一旦実家に戻り仮眠。急行「はまなす」の出発時刻である23:50に再び東室蘭駅に出現することとなる。


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