６．　．大湊→松本　（'01.3.11-12）

　大湊駅に行くと改札口に列車が7分遅れで到着する旨，掲示が出ていた。この大雪でダイヤが乱れているようだ。帰りの切符は既に持っていたのだが，実はそれよりも一本早い列車に乗ることになったので大湊駅のみどりの窓口にて野辺地から盛岡までの特急券を乗車変更。無事取ることができた。

　まもなく改札口の前に人が並び始め途端に長い列になった。そこで我々も列に加わった。14:20を過ぎようやく列車が到着。前の乗客が全員改札を出たところで改札開始となった。我々が車内に入った時には既にボックス席は埋まっており，仕方なくロングシート部に陣取った。列車は折り返し時間は短くなったもののほぼ定刻14:25に大湊を発車した。列車はキハ110がたった１両で車内はほぼ全ての席が埋まった。次の下北駅からは大勢の乗客が押し寄せ，途端に車内は大混雑。ほとんどの客が野辺地まで立ち通す羽目に。こういう場面に出くわすと最近の車両の座席数の減少はどうにかならないかと思う。
　それにしても車内で見掛ける顔に大畑線で見た顔の多いこと。（笑）　先ほど我々の乗車した大畑線の列車で折り返すとちょうどこの時間の大湊線の列車しかないからだろう。

　我々の乗った青森行き快速「しもきた」は快速にも関わらず大湊線内は３駅のみ通過という鈍足ぶり。また窓は例の如く曇ってしまい車窓を楽しむこともできず，我が家もＳ氏も軽い睡眠時間と化してしまった。15:24に野辺地駅に到着。眠った我が子を抱え，次の列車まで30分以上あるので一旦改札を出て待合室にて時間を潰した。

　やがてホームに妙な塗装の気動車３両がやってきた。キハ59・29のお座敷列車の様であるが初めてお目にかかったのでちょっとびっくり。秋田区のお座敷列車“おばこ”であった。大勢のツアー客を野辺地で降ろし，駅改札はツアコンに率いられた群集でちょっとした混雑となった。

　車内に乗り込むとそこは酒とイカ臭い宴会場。これには閉口した。飲んでいる団体は気分が良いだろうか他の客には迷惑な限りだ。車内はほぼ満席で多少息苦しい感じが漂っていた。

　雪は岩手県に差し掛かる頃にはほぼ止んでいた。列車は順調に走行したがなかなか遅れは取り戻せず，遅延のまま盛岡に到着した。東北新幹線は接続を取ってくれるが急がねばならないので大勢の「はつかり」の乗客は早めに席を立ち列車を降りていった。Ｓ氏も盛岡から新幹線に乗り継ぐので「はつかり」車内で我々と別れ東京に向かった。

　我が家は本日は盛岡泊なので一番最後にのんびりと下車し改札口に向かった。

　盛岡駅の改札を出ると1枚のポスターが目に付いた。春から駅ビルは夜間閉鎖にするとのこと。学生時代，盛岡で２度ほど駅寝したことがあり，とても居心地が良かった駅だけに残念だ。今では夜行列車も無くなり駅を開けておく必要もなくなったからだろうか。

　さて本日の宿は東横イン。今年1月にオープンしたばかりの新しいホテルで，宿代も安くツインで税込み8,800円だ。ほぼ駅前の好位置にあり便利だ。早速玄関を抜けフロントへ向かうとフロントの前にパソコンが2台あり，ご自由にインターネットをお使い下さいとのこと。プリンタも無料で使えるサービスでこれはなかなか面白かった。チェックインを済ませ客室へ向かう。ツインの部屋はちょっと狭い感じがしたが機能的にまとまっており，ベッドの下に大きな荷物が置けるように工夫されていた。なかなかいい感じ。

　夕食の頃合なので盛岡駅地下へ。こちらは飲食店街になっており，どの店に入るのか迷ったが別に名物でなくてもいいや，ということでとんかつ屋に入った。ひさびさにとんかつ専門店に入ったが実に美味かった。今回の旅は食い物で外したことがなかった。まぁその分，食費がかさんでいるのだが。

　宿に戻ってからはゆったりくつろぎ，家族全員疲れているので早めに就寝した。
　翌朝，朝７時頃起床。すると息子が咳をしていた。どうやら風邪をひいたっぽい。少々疲れさせてしまっただろうか。

　朝食の時間であったので階下に降りて行く。この東横インでは軽い朝食サービスがあり，おにぎりと味噌汁，コーヒーが無料で提供されている。最初は軽く食べるつもりだったのだが，お代わり自由ということもあっておにぎりをバクバク食べてしまった。もうこれでお腹一杯。（笑）

　荷物をまとめ9時半頃，ホテルを出発，盛岡駅へ向かった。

　本日は水沢江刺に立ち寄り，松本に帰る予定。まずは「Maxやまびこ40号」で水沢江刺に向かうことに。盛岡駅南側２階の観光案内所に寄ってから新幹線改札口を通る。まだ30分以上時間が余っていたのでコンコースを見物後，ホームへ。
　ホームには先発のE2系「やまびこ8号」と我々の乗るE4系「Maxやまびこ40号」が停車していたがまだ車内清掃で乗り込めず。しばし子供と一緒に新幹線を見物していた。10時前にようやく乗り込むことができ，我々は先頭車2階自由席へ。Maxの2階自由席はシートは３・３列でリクライニングも効かず窮屈な限り。そもそもMaxは“通勤列車”，着席率を上げるにはこれが一番なのだろう。しかし我々の乗った時点では車内はガラガラだったので特に問題はなかった。

　さて列車は10:11に発車，一路南下。外の天気はすこぶる良い。仙台まで各駅停車なので新花巻，北上と順次停車。途中駅からの乗り込みも結構多い。盛岡から約30分，水沢江刺到着。実にあっという間である。

　水沢江刺ではカミさんの高校時代の同級生と会いご自宅にお邪魔した後，一緒に昼食を摂った。そして昼過ぎ，13時過ぎに再び水沢江刺駅に戻った。

　水沢江刺13:47発の「Maxやまびこ46号」に乗り込む。再びE4系Max。今回の東北新幹線はE4系三昧ってな感じで少々食傷気味だ。
　今度は指定席を取っておりそちらへ。列車は9〜18号車までの8両編成で乗り込む時多少混乱してしまったが，これは仙台から1〜8号車を連結するからである。今度も2階席であるが，２・３列シートの3列側窓側２つが我々の席となった。車内はほぼ全席埋まったが，我々の隣は誰も来なかった。

　旅もほぼ終了で天気も良いので次第に眠気が襲って来てカミさんも息子も昼寝。私もウトウト・・・。そんなこんなしているうちに息子の頭が熱いのに気付いた。寝ているのに熱いのはおかしい。今朝から咳をしていたから熱でも出た様子。ちょっと心配になる。

　大宮駅には16:10に到着。長野新幹線への乗換まで20分近くあるので待合室にてしばし休憩。やはり息子は熱っぽいが食欲はある。そんな訳でまずは松本まで無理をせずに帰ることにし，長野からは普通列車で帰る予定だったのを「しなの」利用にすることにした。

　考えてみれば息子は今回の旅行で何のお土産も買ってもらっていないので，大宮駅のキヨスクで今回たくさん乗ったE4系Maxの模型を買ってあげた。さすがに何度も乗ったせいか，新幹線と認識してすぐに遊び出した。

　新幹線というのはホームで「間もなく列車が参ります」なんて言っても入線まで随分と時間がかかるものだ。発熱した息子を抱えようやくの思いで長野新幹線E2系が到着，16:38定刻に大宮を発車した。

　ここからの旅程は全く感慨のないもの。単調な上越新幹線区間を終え，高崎から長野新幹線へ分岐。碓氷峠を越えてトンネルを抜けると軽井沢に到達。ここに来てなんとなく信州に帰ってきたという感覚が湧いてくる。浅間山は随分と白くなっており，ここ数日間でまた雪が積もった感じだ。
　外が次第に暗くなってくる中，新幹線は順調に走行，長野駅には17:54に到着した。

　長野ではすぐに普通列車に乗り継がず一旦改札を出て駅前へ。薬屋で冷えピタと小児用風邪薬を購入，駅ビルの屋上の食堂でゆっくりと夕飯を摂った。食堂を出ると息子の熱はかなり下がった様子。とりあえず一安心。

　当初の予定では長野から松本まで普通列車で帰るつもりだったのだが，発熱した息子には隙間風の多い115系は辛かろうと急遽「しなの」乗車に変更。改めて特急券を買った為，新幹線からの乗継割引が効かず勿体無い気もするが仕方なかろう。それに財布で寝ていたオレンジカードを消費したのでさほど痛い出費でもなかった。

　少し早い時間にホームに降り入線を待ち，列車に乗車。自由席であったのだが結構な乗車率でほぼ全ブロックが埋まった。19:32に列車は出発，闇の中，列車は進む。さすがに特急車両ということもあり空調はバッチリで寒い思いをすることはなかった。松本駅には20:21に到着。

　改札口にて乗車券に無効印を押してもらい記念に頂いた。駅からはタクシーで自宅まで帰り今回の旅は終了した。

　ところで発熱した息子であるが，家に帰った時点では熱が下がった様子で安心していたのだが，家に帰ってからすぐに寝かせたものの深夜，息遣いが妙に荒いので熱を測るとまもなく40℃！　慌てて救急外来に駆け込んだ。診察の結果，単なる風邪の様子だったが，今回は小さな子供にとっては強行軍だったらしい。親として少々反省だ。