6月10日。フェリーの予約は乗船日の２ヶ月前に始まる。当初8月10日の直江津→室蘭便を狙っていたのでこの日の朝9時，予約開始とともに東日本フェリーの予約センターに電話・・・毎度のことながら全然つながらない。約30分経ってようやく通じたが既に直江津発室蘭便は全滅。大洗発室蘭便も全滅・・・。一旦電話を切り悩んだ後，新日本海フェリーの新航路，新潟→苫小牧東便をあたってみるがこれも外れ。散々たる結果となった。今回初めて帰省の便が確保できずちょっと慌てる。8月10日の帰省は諦めとなった。翌11日は直江津発の便が運休なので最初から大洗便を狙い，6月11日朝9時から再び電話攻勢を掛け，１等は無理だったがどうにか２等エコノミーを確保。同時に帰りは8月21日室蘭発大洗行とし１等２人部屋を確保した。
　初めての大洗便の上，家族子供連れでは初めての２等，ちょっと不安ではあったがこれしかない。そんな訳で乗船当日を迎えたのであった。

　会社の休みは8月12日からであるが有休を１日付けた。家の用事を片付け，朝10時半松本の自宅を出発。塩尻ICより長野道・中央道に入る。途中，諏訪SAで早めの昼食を摂り，12時前に再出発。この日は快晴で車の運転にはなんの支障もなく快調に14時頃には八王子ICに到達。石川PAに休憩で下車したら，そこは灼熱地獄であった・・・。再び車を進めると高井戸ICの手前から環七に降りる車で渋滞。これを通り抜け首都高新宿線に入るが永福料金所から再び渋滞。ここからはひたすら渋滞で環状線も6号線も渋滞。結局常磐道に抜けた時は17時を回っていた。守谷SA，友部SAで休憩しながら常磐道から北関東道に抜け，茨城町西ICで下車。国道6号線に入り水戸市街地に入ったのは18時半頃であった。本当は大洗周辺で夕方遊ぼうかと思っていたのだが予定変更。水戸市内で買い物し，夕飯を摂って大洗フェリーターミナルへ向かうこととした。

　大洗フェリーターミナルは初めての訪問。行き方がよくわからなかったが国道51号線から大洗市街に入り海側を目指して車を進めると，大洗のマリンタワーとフェリーが視界に飛び込んできた。係員の誘導に従って室蘭便の乗用車の列に車を停めた。なお係員の言葉は見事に茨城弁・・・一瞬戸惑ってしまった。（笑）

　大洗からは室蘭と苫小牧へ毎日２便フェリーが運行されている。室蘭便はイルカにレインボーマークの東日本フェリー，苫小牧便は“さんふらわあ”マークのブルーハイウェイラインである。この日の室蘭便は「へすていあ」が充当されていた。

　まずは乗船手続き。新築された大洗フェリーターミナルの建屋へ長い渡り廊下を歩いて行く。手続き自体は慣れたものですんなり終える。２等エコノミーの指定は２席。やはり大人分の割り当てしかないようで我が家のような６歳未満の子連れには辛い旅になりそうだ。

　２等船室に行くとカーペット敷きの床に番号が書かれており，そこに枕と毛布が組みで置かれている。我が家の区画は２個。左右の席も埋まり余裕がない状況でなかなか厳しい。

　部屋に戻ると既に息子は就寝。時間も23時を回っており小さな子供には辛い時間帯かもしれない。出港時間23時30分が近づいてきたので一人で船上に出てみた。しかし船は一向に出る気配がない。そのうち苫小牧行きフェリー側から車やオートバイが多数やってきた。どうやらキャンセル待ちしていた人達らしく，室蘭便をどうにか確保できた様子で20台弱やってきた。運の良い人達である。

　そして船は定刻より約30分遅れで出港。部屋に戻りビールを飲み，我が家の区画は母子に譲り，私は息子の足元で小さくなって寝た。

　翌朝8時頃，子供の目覚めと共に起きる。そして食堂に朝食に行った。これまでに乗船した直江津便のフェリーとは異なり，食堂が格段に広く盛況なのにびっくり。やはり首都圏を結ぶフェリーは強いのだろうか？

　さてここからが暇暇暇・・・。部屋に戻ってもテレビを見たり風呂に入ったりしかすることがない。お菓子を食べたりまた昼飯を食べに行ったり，甲板に出たりと暇つぶしに苦労する。個室ではないのでちょっとした緊張感もありこれも疲れる。ただ独身時代と違い話し相手もいるし子供の相手もあるので幾分マシではあるが。

　16時過ぎ，船はいよいよ室蘭に近づいてきた。進行方向左手には駒ヶ岳，右手には有珠山，羊蹄山，室蘭が見えてくる。そして室蘭港に入港，およそ30分かけてフェリー埠頭に向かう。毎度思う事であるが室蘭入港時の景色は良い。室蘭の太平洋側の断崖絶壁から港の入口の大黒島，白鳥大橋，工場群と景色の変化に富んでいる。

　船が着岸してから乗用車甲板へ移動。約15分くらいで外に出ることができた。この日は叔父家族が帰省しており実家が手狭な為，市内のホテルサンルート室蘭に投宿。最近改装したようでなかなか快適な部屋であった。