'98冬 北海道流氷観光記

2.網走→ウトロ  ('98.2.21)
天都山
 さて翌朝。ホテルで朝食を済ませ荷物をまとめて出発。まずは近所の天都山観光とする。
 網走の背後に控える天都山には各放送局の電波塔が立ち並び,この頂上付近からの眺めもなかなか。天気が良いと知床山脈の山々もくっきり見え,少し遠いが流氷の様子も分かる。また北方民族博物館やオホーツク流氷館があり,流氷感のほうを訪れてみた。

 オホーツク流氷館はこじんまりとしているが流氷の生い立ちや生態系などを知ることのできる博物館で,中でも氷点下20℃を体験できるコーナーはおススメ。流氷の実物を展示したこの部屋では実際に凍ったバナナで釘を打つことができた。また最近話題のクリオネも展示していたが少し生きが下がっていた。


▲ 天都山展望台よりの眺め


網走監獄
 天都山を後にし,山を下っていく途中にあるのが網走監獄。「網走」と聞けば一番思い浮かべるのがこの監獄でしょうか。早速訪れてみた。
 網走監獄ではいわゆる「牢屋」や刑務所の役割や裁判制度の展示,受刑者の暮らし等を展示している。いずれも実際に使われてきたものばかりなので結構興味深いものばかりで,また敷地もかなり広い。
 ちなみに冬期間は暖房の効いている建物が少ないので,訪問の際は十分防寒装備することをお勧めする。私は底冷えしてしまった。


▲ 監獄の入口の門


▲ これが「牢屋」の廊下

 なおこの網走監獄では入場した時,写真業者が有無を言わさず入場記念として写真を撮ってくれる。そして出る頃までには現像が終わり「出獄許可證」なる記念写真として売っている。確か一枚1,000円くらいだったと思うが,まぁ記念にはいいかもしれない。


北浜駅・トウフツ湖
 今晩の宿は知床半島の西岸,ウトロ。そこで知床へ向かって出発。
 昨日夕方立ち寄った北浜駅に再び立ち寄る。するとたまたまノロッコ号と出会ったので撮影。極寒の中,トロッコから流氷観光するこの列車であるが,なかなか好評の様子。いつか機会があれば乗ってみたいものだ。


▲ 北浜駅


▲ 釧網本線のノロッコ号

 さて北浜駅から斜里側に進んだところにトウフツ湖(涛沸湖)がある。ここは道内でも白鳥の飛来地として有名なところ。昔は特になにも無かったのだが近年公園として整備され,白鳥の餌付けが行われている。
 湖畔の売店では土産物の他,白鳥の餌としてパンの切れ端も売っている。またなぜかここでもクリオネがたくさんビンに入って飾っていた。それも流氷館のものよりかなり元気だった。


▲ トウフツ湖の白鳥達


止別駅
 JR釧網本線のオホーツク沿いの各駅には様々な飲食店が併設されていることでファンの間では有名。いずれも訪れたことのある私であるが,そろそろ昼時なので止別駅を訪れてみた。ここにはラーメン屋「えきばじゃ」が併設されており,あっさり系のラーメン屋で私のお気に入り。地元の方も結構食べに来ることが多く,昼食時は意外に混んでいる。汽車旅の中で立ち寄るのも良いかも。

 ちなみにラーメンが出てくるまでの間に滅多に来ない列車がやってきたのでさっそく写真撮影。本当は乗りたかったんだけど・・・。


▲ 止別駅より


オシンコシンの滝
 斜里から知床半島に入りウトロに向かって走るとその途中にオシンコシンの滝がある。以前,夏に訪れたことがあったが冬は初めて。滝は見事に全面的に凍りつき,なかなか綺麗だった。照明があったことから,夜間はライトアップされている様子。ただし駐車場から滝の前までの坂道は積雪が踏み固められており非常に滑り易く危険ですので十分に注意が必要だ。
 またこの滝の下流の海岸にも降りることができた。状態が良ければ流氷の上を歩くことがでる。この日は知床半島西側のオホーツク海は流氷がびっしり。そこが海であるとは信じられないくらいでなかなかの圧巻でした。


▲ 氷結したオシンコシンの滝


▲ オシンコシンの滝付近の海岸にて


 ウトロ
 知床半島の西岸の街,ウトロ。知床観光の拠点として有名だ。観光シーズンは多くの観光客で賑わい,しばしば道路が渋滞することもある。
 さてこの日,ウトロに着いたのはまだ夕刻前。時間があるのでとりあえず行けるところまで行ってみようと車を走らせたものの,やはり冬期閉鎖で岩尾別より先には進めず。引き返してきて知床自然センターに寄ってみたものの,こちらもしまっており涙する。

 ウトロに戻る途中,知床横断道路沿いの町外れにプユニ岬というところがあるのだが,この高台からの流氷原の眺めがなかなかよろしい。特に夕暮れの時間は流氷の向うに日が沈むので最高の眺め。これは隠れポイントじゃないだろうか?


▲ プユニ岬より流氷原を望む

 この日の宿は知床花ホテル。ウトロの高台のホテル街にある。受付を済ますと自分の好きな浴衣を選ぶことができるという,面白いシステム。と言っても男にはあまり関係ないが・・・(笑)
 夕飯は大食堂で食べたのだが,さすがに観光客の量が半端じゃない。こんな大規模なところに泊まったのは修学旅行以来である。やっぱこの流氷シーズンは稼ぎ時である。

 さてウトロでは流氷観光シーズンに合わせて毎晩「オーロラファンタジー」という催し物をやっていた。ホテルから無料送迎バスも出ていることから早速出掛けてみた。ウトロ港の屋外特設会場でシバレ体験をしながらのレーザー光線ショーで大変綺麗なものだったが,夜の屋外で冷え込みが厳しく,見ているのも辛いくらい寒い! かなり厳重に暖かい格好しないと大変だ。お風呂入った後だと確実に湯冷めしますので注意が必要である。ショーが終わった途端,お客さんは一目散に退散しはじめる始末。(^^; でも小さな街が一生懸命に見せてくれるこのイベント,一見の価値はあると思った。

 宿では冷え切った体を風呂で温め直し布団に入るとすぐに爆睡。無事二日目を終えた。


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