３．　東室蘭→函館→青森　（'02.11.16）

★ 東室蘭→函館　特急「北斗14号」

　復路の出発は11月16日。今回使用している「ぐるり北海道フリーきっぷ」は東北本線経由のB寝台もしくは東北新幹線が利用できる。往路は「北斗星」を利用したが，復路も同じでは芸が無い。ちょうど二週間後には東北新幹線八戸開業を控えており大きく列車体系が変わる。そこで復路は廃止となる快速「海峡」と寝台特急「はくつる」を利用することした。実は9月にお別れ乗車でわざわざ青森まで来て一部区間乗車したのだが，今回図らずしも全区間でお別れ乗車する機会に恵まれた，というところだ。

　車内は長万部を過ぎるとガラガラ。息子も寝てしまったので（なんか今回の旅行では寝てばかりのような気がする・・・）席を向かい合わせに回して転がしておいた。

　この季節，日が暮れるのが早くまだ16時半頃でもう既に外は真っ暗。大沼公園では既に夜だった。列車はここまで順調に走り間もなく終点函館の一駅手前，五稜郭に到着なので息子を起こし準備した。しかしなぜか五稜郭駅手前で列車は停車。5分程度停まってしまい，函館駅には17時頃到着した。
　向かいのホームに停まっていた大阪行き寝台特急「日本海4号」は出発時刻を過ぎていたものの，接続を取って出発していった。牽引のED79はやはりドラえもん塗装でヘッドマークが付いていない。海峡線の列車からはヘッドマークが一掃されてしまったのだろうか・・・。

　函館から乗車するのは臨時列車の50系の快速「海峡10号」。11月30日まで運転，とあるので臨時列車というよりは冬季運休と考えたほうがよさそうだ。しかしどちらにせよこの「海峡」の命も11月30日まで。50系客車もこれを機に全廃され全国のJR線上から姿を消すことになる予定だ。

　我々が乗り込んだのは4両編成の2号車自由席，のびのびカーペットカー。かつての青函連絡船の桟敷席をイメージさせる車両である。他の座席車は本州出身の50系5000番代であるが，このカーペットカーはオハ51 5001，つまり北海道生え抜きの50系51型改造の5000番台である。かつて海峡線フィーバ時代に車両不足で追加改造されたが，後にカーペットカーに再改造された経緯がある。

　ところでここ数年続いた海峡線の「ドラえもん」イベントは確か10月末で終わりと思っていたので最後は元来の快速「海峡」の姿に戻ってくれれば，と思っていたが新たなイベントが続くようで，その願いはかなわなかった。残念に思っている鉄道ファンは多いことだろう。

　列車は19:55に青森駅に到着。私にとってこれが間違いなく快速「海峡」，そしてJRの50系客車に乗る最後となったであろう。そう考えると感慨深いものがあった。

　青森駅はちょうど2ヶ月前に来たばかり。その時に十分お別れ乗車と撮影をしてきたつもりであったが，今回思わぬ機会となり，快速「海峡」，寝台特急「はつかり」のほか，最後の最後に特急「はつかり」を撮ることもできた。
　伝統ある「はつかり」の名が消えるのは大変惜しい。またいつかこの愛称が復活することを願って，そう，できれば北海道新幹線の愛称として帰ってくることを私は希望している。