この日の天気予報は北海道地方は晴れ。しかし明日になると関東周辺では低気圧により次第に崩れる予定であった。そこで昼間の買い物のついでに室蘭港フェリーターミナルに立ち寄り運行状況を確認してみると，今晩の大洗便は問題なく運行されるとのこと。岸壁には「ばるな」が停泊しており出港するのは間違いなさそうであった。

　ターミナルのカウンタで乗船手続き。復路も１等で我が家で占有できた。手続きが終わったのが21時50分頃で乗船が22時から始まるとのことで案外ぎりぎりに着いたらしい。カミさんと息子をターミナルの徒歩乗船口まで連れて行き車に戻る。まもなく22時に徒歩乗船開始，車もそれに引き続き乗り込みとなった。ただ夏と違って統制の取れた車の停めかたをしていないので乗船まで多少時間が掛かった。車は上部甲板に停めることができ，すぐに客室に入れて楽な場所であった。

　船は定刻23:40に出港，岸壁を離れ室蘭港を航行。波は穏やかで往路と異なり気が楽。暗い中，ライトアップされた白鳥大橋を見てから眠りに就いた。

　しかし吐いた後はしばらくすっきりしており眠りに就くこともできた。午前中は家族全員昼寝してしまい，目が覚めたのはレストランの昼の営業が終わったことを告げる放送だった。昼食にありつけなかった我が家は実家から持ってきた菓子や餅類を食事代わりにした。しかし空腹だからと言って食べすぎてはいけなかった。また胸の悪さが襲ってきてそのまま伏して寝る羽目になってしまった。結局大洗に着くまでベッドで横になって寝ているばかりであった。

　ようやくの思いで大洗に到着が近づく。岸が近くなって船の速度が落ちると途端に元気が出てきた。着岸寸前に低気圧の強風の影響で船が多いに揺れたが無事着岸。18時過ぎに車両甲板の車に戻り乗り込む。やがて10分くらいしてから船外に出ることができた。とにかくほっとする。やはり人間は陸の上の生き物だ。（笑）

　大洗で外に出ると寒くない。いや，寒く感じない，が正当だろう。身体が北海道の気温に慣れてしまったのか。

　さてこれから松本までの長距離の行程が待っている。まずは明日の我が家の食料を調達せねばならぬので東水戸道路水戸大洗IC近くにある地元スーパーに立ち寄る。そして19時過ぎに出発。高速道路をひた走り，北関東道→常磐道へ抜ける。この北関東道が高崎まで開通すると今回の行程も大変楽になるのだが。

　茨城県内を走行中に雨が降り出した。天気予報が当たってしまった。これから信州に帰るので途中雪が降ることも予想されるので慎重に経路を練る。20時頃，守谷SAに到着。車内で眠りこけていた息子も目を覚ましたのでここで夕飯とした。少しゆったりくつろぎたかったのでレストランへ。なかなか美味しかった。特に定食類には豚汁がつくのには驚いた。食事中，身体が揺れている感覚がして仕方なかった。船の揺れが身体に染み込んでしまっている。

　約1時間のんびりして，21時頃再出発。三郷ICから東京外環道を経て関越道に入った。雨の降りが強かったのであまりスピードを上げることもできず。するとなんと鶴ヶ島付近から雨が雪に変わってしまった。埼玉県内から雪になるとは予想もしていなかった。22時頃，高坂SAで休憩，再び出発。スタッドレスタイヤを履いてはいるものの，雪の天候でなおかつ船疲れしているのでどうしても運転は慎重にならざるを得ない。上信越道に入ってからも雪が続き，23時頃横川SAに到着。しんしんと雪が降り続き綺麗であった。

　さらに車を先に進める。普段は東部湯の丸ICで降りて丸子町・三才山トンネル経由で松本に帰るのだが，この日は夜遅く，峠越えは道が凍っている可能性が高く，なおかつ大型車が多く危ないことが予想されたのでこのまま上信越道を進み，更埴JCTから長野道で松本に向かうこととした。

　雪は次第に雨に変わっていた。千曲川PAで休憩すると降り積もった雪が水を含んでグチャグチャになっており車外に出て歩くのが大変であった。24時頃再出発。この先，長野道は更埴から豊科までチェーン規制になっており，更埴JCTで検問。なんの問題もなく長野道へ進入。しばらくは雨の中を走ったが峠を越えて麻績村に入ると雪と凍結で路面はテカテカ。確かにチェーン規制は必要だ。しかし標高が下がってくると雨になり路面も氷解。松本ICに着く頃は完全に雨になっていた。

　ようやくの思いで松本ICを過ぎたのが日も変わり1時過ぎ。あとは見慣れた街中を運転し自宅に着いたのは1時半頃であった。松本市内は数日前に雪が降ったみたいで一面雪景色。我が家のアパートの前には近所の子供たちが作ったのであろう雪だるまが二つ並んでいた。

　そんな訳で一番最後に強行軍となってしまったが，無事北海道帰省を終え松本に帰った。