★ この汽車旅の詳細は'01/1 札幌・日高汽車旅記に別に収録しております。

（１）　東室蘭→新千歳空港

　今回の旅の始まりは東室蘭駅。みどりの窓口で青春18きっぷを購入。試しにJR東日本のVIEWカードを使ってみたが全く問題なかった。どうやらJR北海道は一般のクレジットカードも使用できるようで，これは便利だ。

　乗車する列車は東室蘭始発10:07発苫小牧行き普通列車。室蘭地区は札幌側は電化されている為，一部の列車を除き苫小牧・札幌方面の普通列車は711系電車で運行される。
　東室蘭駅にはいつの間にか自動改札が導入されていたのにもびっくり。しかし青春18きっぷなので有人改札で改札印を押してもらいホームを降りた。この日は室蘭地方は吹雪。ホームでしばし待つこと数分，711系が入線。先頭車に乗り込んだ。

　列車は定刻に発車。今では全国的にも激減したデッキ付き車両のボックスシートは暖かみがある。１ボックスを我が家で占領し悠々と汽車旅を楽しんだ。最近付け替えられた鷲別付近を通過し，JR貨物鷲別機関区に停まる多くのディーゼル機関車を見た息子はご機嫌であった。

　車内はそこそこの乗車率であったが幌別，登別と次第に客が乗り込んできた。登別を過ぎる頃には雪もおさまっていた。ところでかつての国鉄車両はほとんどそうなのだが冬の暖房は強烈だ。この列車も例外ではなく暑いことこの上ない。しかし窓を開ける訳にもいかずひたすら耐えるのみである。

　列車は快調に進んだが白老過ぎでは立ち客が出始めた。苫小牧到着寸前には通路も人で溢れかえっており案外乗客が多いことを認識した。途中駅での乗車に時間が取られたのか列車は5分程遅れて苫小牧駅に到着。階段を登り接続列車へ大急ぎで乗り換えた。

　苫小牧から接続する札幌行き普通列車は721系。車内は大方埋まっており一人席が二つ空いていたのでそこに座った。列車が苫小牧を出てからは車窓は一転，雪景色に。室蘭本線を離れ千歳線に入り原野を通り抜ける。空が抜けるような快晴で日差しが暑いくらいだ。時折車窓から見える飛行機を見て息子が大喜び。そんな訳で昼飯時でもあるし，息子に飛行機でも見せようかと新千歳空港に行ってみることにする。そこで南千歳にて下車。

　ここからは快速「エアポート112号」で新千歳空港へ。やはり混んでおりデッキに立つ。しかし一駅区間なので子連れでも全然苦でない。11:56に新千歳空港駅到着。大勢の帰省客とともに空港ターミナルへ向かった。

　新千歳空港は帰省客で混雑していた。ピークは越していたが昼の主要路線は満席が多かった。 まずは昼食ということでレストラン街へ。ちょうど飛行機が見渡せるロビーでしばし息子に飛行機を見せてから食事へ。ラーメンが食べたいというリクエストがあったのでラーメン屋へ。ちょうど昼食時でごった返していたが席を確保し食す。ひさびさに店屋物のラーメンを食った。（笑）　その後再び飛行機見物し，ショッピングゾーンをぶらっと覗いてから新千歳空港駅へ向かった。

　札幌駅へは直接向かおうということで特急車両781系使用の快速「エアポート137号」を待つ。最前列に並ぶことが出来たのだがそのうち息子がぐずりだし抱っこしたら即寝てしまった。さて列車を待つ人はどんどん膨れ上がりホームに溢れんばかりに。さらに悪いことに折り返しの列車は乗客が多くて途中駅で積み残しが出るほどの遅延，そして781系はたった４両編成，ということで大混雑になってしまった。

　折り返しの列車は新千歳空港駅に10分ほど遅れて到着。列車からは大勢の人が下車し，乗る込むまでにさらに時間が掛かり，席は確保できたものの通路まで人が溢れんばかりの状態であった。しかし次の南千歳で大勢の人が下車，一気に車内は普通の混雑具合に戻った。南千歳から「スーパーおおぞら」乗り継ぎ客が多かったからのようだ。

　その後列車は順調に走行。札幌に近づくに連れて雪深くなってきた。列車は苗穂から高架に上り札幌駅に到着。旭川行きの列車ではあるがほとんどの乗客が札幌駅にて下車した。

　この日の晩は南区の大叔母宅に顔を出す予定。そこで札幌駅周辺に宿を取った。前日インターネット予約した法華クラブに向かう。ビジネスプランで特に安くなってはいるのだがツインで7,000円（サ込税別）の破格値だ。少々不安が頭を過ぎる。（笑）

　札幌駅前の地図でホテルの場所を確認し歩く。街中の歩道は大部分が雪かきされており歩きやすい。無事時計台近くでホテルを見つけチェックイン。造りは多少古めだが綺麗だ。部屋に入るとベッドが二つにユニットバス。うん，合格。これで7,000円は超破格値だ。ちょっとしたお出掛け・宿泊にはもってこいだ。

　部屋で少々休んでから大通りまで歩き，地下鉄南北線に乗車。ひさびさに札幌の地下鉄に乗ったが新車が導入されてから初めてだったので少々びっくり。随分と様相が変わってしまった。

　大叔母宅には16時頃到着し夕飯をご馳走になってしばし歓談の後20時頃出た。夜は雪が降り息子にとってはしんしんと雪が降る光景は初めてで驚いた様子であった。澄川駅から再び地下鉄南北線に乗り大通駅で下車。

　大通りの地上に出るとちょうどホワイトイルミネーションが点燈されており綺麗であった。記念撮影をしてからホテルに戻り，この日はゆっくりと寝た。・・・が，ベッドが一人分のサイズぎりぎりで狭く，子供と一緒に寝た私は朝まで窮屈な思いをしたのであった。まぁ仕方ない。

▲ 札幌大通りにて ('01.1.4)

　朝起床7時。目覚し時計より早く目が覚めた。のんびりと朝の準備をして8時過ぎにホテルをチェックアウト。外に出ると札幌の街は現在進行形の大雪であった。コートのフードをかぶりながら札幌駅へ向かった。

　さてこの日の目的は札幌発様似行の日高本線直通快速「優駿浪漫」号に乗車すること。今年度限りで引退する旧国鉄急行型気動車キハ56が運用されるこの列車に乗る為にわざわざ札幌に来たようなものだ。列車の発車時刻まで余裕があるので駅構内で朝食。大人二人はホームの立ち食いそばを食べ，子供には階下の売店で売っていた弁当を食べさせる。

　9:04に列車は入線。懐かしい顔である。たった２両編成なので長いホームの中央部にちょこんと停車した感じだ。

　さて新札幌，北広島，千歳，南千歳と千歳線の快速列車と同等に停車を重ねてゆく。この千歳線の区間を急行型車両に乗るのは急行「ちとせ」以来，かれこれ20年振りかもしれない。老体に鞭打ったような走りの感も否めないが，板張りの床がなんとなく暖かい。

　列車は10:24苫小牧に到着。ここからは日高本線の通常ダイヤの普通列車として走る。苫小牧からは一般客がどっと乗り込んできていずれのボックスもほぼ埋まった状態。なかなかに盛況だ。苫小牧駅では11分の停車。ホームに出て撮影を行う。

　列車は鵡川で4分の交換待ちの後順調に走行。沿線には時折牧場が見え競走馬が放牧されており，息子に「お馬さんがいるよ」などと話し掛けながら車窓を楽しんだ。

　やがて新冠を過ぎ12:09静内到着。本当なら終点の様似まで乗って行き折り返してきたいところであるが，室蘭への帰りが遅くなり子供連れには辛い行程になるので断念し静内にて下車することに。ここでキハ56とは最後のお別れとなった。

　静内駅は現在建て替え中で旧駅舎は大部分が取り壊され窓口，待合室ともに窮屈な状態であった。さて時刻はちょうど12時。昼食を摂ろうと駅前へ。駅前には数軒の食堂があるが，折り返しの列車までまだ１時間半もあるので少し街中を探検してみよう，と歩いてみる。駅から国道方面に歩いて行くと商店街があり，ショッピングセンターがあったので入ってみる。この中に食堂もあったのでここで昼食を済ます。

　定刻13:51に静内を出発。帰りは目的を失ってしまったので気だるい感じ。（笑）　のんびりと車窓を見て子供の相手をして苫小牧へ着いた。

　列車は16:23に出発。青葉，糸井，錦岡と苫小牧しないで大勢の人を降ろして行く。外は既に日が暮れて暗くなってしまい，車窓を楽しむことも出来なくなってしまった。白老町内の駅で大半の乗客を降ろしたが，それでも結構大勢の人が東室蘭まで乗り通したのにはびっくり。東室蘭−苫小牧間は特急利用が多いのかと思っていたが，案外違うようだ。また時間によっては特急よりも普通列車のほうが早い場合もある。

　東室蘭駅では跨線橋を渡り反対ホームへ。ちょうど長万部行きが入線しドアが開いたところであった。ここでも１ボックス占有。次々に人が乗ってきて車内の席はほぼ埋まった。列車はキハ150とキハ40のあわせて2両。室蘭本線のキハ150に乗ったのはこれが初めての経験である。かつて高校時代，この区間を汽車通していたのだが今ではワンマン運転もされており随分と雰囲気が変わってしまった。

　列車は17:40に東室蘭を発車。キハ150は軽快なエンジン音で軽やかな走りである。普段車で走っている国道37号線沿いに進み約6分で本輪西駅に到着。ひさびさに本輪西駅に降りた。かつての面影は残っているが随分と寂しくなったものだ。

　駅前には父が車で迎えに来てくれており，実家まで楽して帰ることができた。