幌萌鐵道管理局   消え去りしものたち
 
■ 同和鉱業片上鉄道    (平成3年6月)

 鉱山鉄道として栄えて来た片上鉄道。しかしご多分に漏れず鉱山の産出量の減少と衰退,そしてトラックへの輸送切り替えでこの片上鉄道も平成3年に命運が尽きました。
 吉井川沿いに走るなかなか景色の良い線区だったと記憶しています。

 最初で最後の訪問となったのは平成2年8月。当時在籍していた埼玉大鐵研の夏合宿で訪れたものでした。この時は片上駅で車庫の中から構内まで隈なく見学させて頂き,古豪気動車の活躍する片上鉄道を思う存分堪能いたしました。
 この当時は既に地元に対して鉄道廃止の意向が告げられていましたが,某業者の手で観光路線として存続する道が模索されていました。しかしどう考えても採算に見合わない様で,結局計画は見送られ廃止となってしまいました。


▲キハ800 周匝〜美作飯岡間にて(H2.8)


▲キハ700 片上駅にて(H2.8)


▲客車たち 片上駅にて(H2.8)

 終点の柵原駅はこの時既に駅舎ホーム側にのみ線路が残り,かつて貨物列車が鉱石を搬出したホッパーはダンプカー用に変えられていました。そこに転がっていた光る鉱石を車掌から昔話を聞きながらもらった思い出があります。
 周匝駅前には廃止反対の会が黄色い自転車を鉄道の利用者に無料貸し出しを行っており,これを使って近所の橋梁まで撮影に行ったりしました。


▲柵原駅にて(H2.8)

 廃止後も車両は保存され続け,最近では終点の柵原駅跡に展示施設を建設するという話しも聞こえて来ています。廃止された私鉄の中では保存状況も良い様で,その点は恵まれているのではないでしょうか?


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