幌萌鐵道管理局   北海道廃線跡探索記

美幸線
   仁宇布−北見枝幸(未成線)/平成9年8月10日探索

 知る人ぞ知る美幸線の未成線区間。「オホーツクの青い海を見ることなく」建設半ばで廃止になった無念の美幸線が今も静かに眠っています。

 以前から是非とも訪れたいと思っておりましたが、この夏念願叶い、大学時代の鐵研の仲間達と一緒に探索することが出来ました。

 はっきり申し上げて、この未成線は非常に圧巻です。まさにあとはレールを敷くのみである道床を見ていると、採算はどうでもいいから一度は列車を走らせたかった、との思いが湧き上がってきます。建設を期待していた地元の方々は本当に残念だっただろうと想像がつきます。しかし沿線の過疎がかなり進んでおり、もし開通したとしても生き残ってはいなかったのは確実で、なんとも複雑な気持ちです。

 現在は橋梁などの撤去は進んでいる様子で、「もう遅いよ」とおっしゃった地元の方もいました。探索を考えられている皆様は早めにどうぞ。

 以下に今回の探索状況をまとめております。なお駅名は美深駅二階の鉄道資料館にて知った予定駅の名前です。

駅名
コメント
(仁宇布)  
  仁宇布−大曲間は20km弱の峠越え区間。仁宇布からは道道沿いに立派な築堤が突き進んでいるのが確認できるが、車で近づくのはかなり難しい部分が多い。
フーレップ川沿いに立派なコンクリート橋や築堤、トンネルが続く。
第2大曲トンネルは拡幅されて道道美深中頓別線の天の川トンネルとして活躍中。
北見大曲 駅予定地は大曲バス停付近と思われるが詳細は不明。
大曲の集落はほとんど人がおらず、大曲バス停裏の小学校も昭和51年に廃校となっている。
  大曲から上徳志別にかけては道道の東側を沿うように築堤がある。
上徳志別 駅予定地は廃校になった小学校の裏手付近らしい。
上徳志別の道道の合流点付近に道路を跨ぐ橋が残っている。
またここから徳志別川の方向にトンネルの口が開いている。
 

上徳志別−志美宇丹間は立派な築堤と橋が続き、なかなか圧巻。

志美宇丹

ある程度の規模の集落。駅予定地は不明。
しかし立派な路盤が通っている。

辺毛内

駅予定地は不明。

辺毛内−歌登間の道床。農耕機の通り道らしい。
歌登 駅予定地は役場に近い北見幌別川の土手の手前にある。
周辺はかなり整備され、橋も撤去とのこと。
歌登−下幌別間で目撃した覆道。
下幌別 駅予定地は不明。付近の道床はかなり立派。
右に弧を描く築堤。この手前で興浜線と分岐するはずだった。
(北見枝幸) 北見枝幸バスターミナル2階の鉄道資料館には美幸線の杭も展示されている。


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